家族葬・・祖父を沢山知っている人たちに見送られて

すい臓がんだとわかってから二ヶ月もしないうちに、祖父は亡くなりました。
骨折をしたため入院したのですが、背中の痛みがあるので検査をしたのです。
残念ながら末期だとわかりました。
祖父は骨折が良くなったら退院できるものだと思っているようで、私がお見舞いに行くとニコニコ笑顔で「また来てくれ」と言っていました。すごく元気だったので、両親から祖父が末期のすい臓がんでもうすぐ亡くなると言われたことが信じられませんでした。

容体が急変し家族が病院に呼ばれてから、祖父は家族が見守る中天国へと旅立って行きました。
10年前に祖母が亡くなってから頑張って田舎で一人暮らしをしていたのですが、2年前から足腰が弱くなり介護が必要になったので、うちに来ることになったんです。祖父は田舎を離れたくないようでした。
親戚が沢山いますし、やはり住み慣れた町が一番だったのでしょう。

祖父の希望は家族葬です。生前から父に話していたそうです。
遠い田舎の親戚を呼ぶのも大変だから、子供達、孫たちで小さな葬式をしてほしいと言っていたようです。
私にとって家族葬は初体験であり、私もいつか亡くなった時家族葬をしてほしいと思っていたので興味がありました。

うちはアパート二階建てなので、遺体は病院から搬送して葬儀屋で安置してもらうことになりました。
仮通夜を行い、本通夜には田舎から数人がかけつけてくれましたので、祖父もとても喜んでくれたことでしょう。
エレクトーンの演奏と故人の経歴をナレーションしてもらったのですが、泣けてしまいました。
祖母のもとで今は苦しみなく笑顔でいることだろうと考え、涙を拭きました。

20名ほどで祖父を見送ったのですが、やはり家族葬はとても良いと思いました。
それぞれが祖父の思い出を語り、祖父をたくさん知っている人たちばかりで安心できましたし、祖父が望んでいた通りの葬儀だったと思います。